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「哲学的な靴下の午後」
By jönatoki
クウォルスは存在しない瞬間に目を覚ました。横になっていたわけでもないのに立ち上がり、時間の見えないシワを直して、時計ではなく、あくびをする光の音で始まる空間へと出ていった。

最初に彼は、六つの夢の範囲内にあるすべての丸い物を数えた。バナナ、ボタン、そして視線。もし数えなければ、意味の漏れが始まり、また現実を繕う羽目になると知っていた。そしてそれには、失望で紡がれた糸が必要になるのだ。

彼は他人の思考の断片で淹れたお茶を飲み、昨日の沈黙を放送するラジオに耳を傾けた。二口目を飲み終えたとき、彼は気づいた——そろそろ出発する時間だと。どこへ?もちろん、「まだ無い」と「もう要らない」が交差する場所へ。

道中、彼は階段に出会った。それは上にも下にも続かず、ただ「内側」へと向かっていた。何の内側かは誰も聞かなかった。彼は登った。あるいは降りた。重力に対する姿勢の違いだけだった。

頂上/底で、クウォルスは袋を見つけた。透明で、持ち手がある袋。その中には手紙。空白。しかし彼はそれを読んだ。そして読み終えたとき、すべてが変わらなかったと理解した。

そして今、君はこの文章を読み終えて、ふと思う。

「なぜこれを読んだんだろう?」

いい質問だ。クウォルスならきっと頷くだろう。でも、何も答えはしない。
   
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